言葉を増やすと知識も増える

ところで、ややこしいことをいうようですが、「知る」とはどういうことを言うのでしょう。

五感を使って多くの物を感じることは、別の言い方をすると情報を得るということです。

ぬいぐるみをさわった感触。つかんで握ると手の中でつぶれる。少し暖かい。

ベッドの枠をさわった感触。つかんでも形が変わらない。少し冷たい。

この感覚自体が、情報として記憶に残れば、「知った」ということになります。

イメージが脳に残った状態です。

 

でも、人間社会では、イメージをつかんでいるだけでは「知っている」と認めてもらえないことが多々あります。

「ん~。ほら、あの感じ、あの~、ほら。」

では伝わりません。何か知っているらしいとは思ってもらえても、何を知っているかはわからない。すると、知らない人と同じ扱い、となってしまいます。

 

人間は集団で生活する生き物なので、情報共有や、相互理解なしには生きてはいけません。

自分の頭の中にあるイメージを他の人に伝えることができてはじめて、社会的な意味での「知っている」になるわけです。

そのためにあるのが。言語、言葉です。

ぬいぐるみをさわった感じを「ふわふわ」「あたたかい」という言葉に置き換えられることがとても重要なのです。

 

また、知識は言語化することによって、整理され、量もたくさん処理できるようになります。人間は言葉で物を考えていると言われますが、順序立てて物を考えるのに言葉は欠かせません。

 

ですから、幼児期の経験の中でも「自分が見たり、聞いたり、さわったりしていることを察知して、対応する言葉がけをしてくれる人がいる。」と言うのは最も重要です。

「何か見た。」を「灰色という色をしていて、自分よりずっと大きくて、象と言う名前の動物を見た」というところまで持って行くには「灰色」「大きい・小さい」「象」「動物」と言う言葉のイメージを獲得していなければなりません。「大きい」は「小さい」と対比しないと意味がないので、「小さい」もいるのです。

「動物園には動物がいっぱいいるわね。」「あれは象ね。」「お父さんよりずっと大きいわね。」「色は灰色ね。」といった声掛けを、タイミングよくしてあげたいものです。

レベルアップさせるなら「おうちのブロック塀と同じ灰色」「きりんよりは背が低い」

年長さんくらいになったら「犬も、猫も、象も哺乳類」「卵で生まれる生き物とそうでない生き物がいる」といった話もできるでしょう。

 

そんなこと、いちいち、できません。理科の先生じゃあるまいし!

あ、はい。そんなお声もあるでしょう。

もちろん理科の先生は先生らしく、そうでない方はそれなりに。

毎日のことですから、あまり難しく考えなくてもいいのです。

我が子が興味を持ったことにママも興味を持ってあげる。我が子が興味を持ったことを話題にする。そんなふうに考えたらいいと思います。

少し大きくなったら、大人がしていることを見せて、興味を持たせてあげましょう。

 

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