幸せを呼ぶ読み聞かせ作戦(2)~塾に行かずにここまでできる
読み聞かせの具体的な作戦をご紹介します。
ママの心の準備
読むのが苦手なママでも心配いりません。
デジタル音声の刺激と違い、人の声は安心感をもたらします。
特にママの声であることが、最高のドレッシングになります。
ですから上手に読もうと、構えなくてよいのです。
途中で噛んだり、つっかえたりするのがイヤなら、ちょっと下読みをしてみてはいかがですか?
昔、囲炉裏端でおばあちゃんの話を聞いた時代を想像してみてください。
おばあちゃんたちは女優さんのように朗読していたわけだはありません。「それから…なんだったっけな。そうそう…」というように話しついでいったはずです。
そんな感じでいいのです。
せっかくの癒しの時間ですから、リラックスしてくださいね。
せっかくだから上手に読みたい
読み方の注意点といったら、普段しゃべるスピードよりゆっくり読むということぐらいです。
でも、向上心のあるママはもっと上手に読みたい、子どもにウケたい、などと思うかもしれません。
そんな時は登場人物の会話の声のトーンを変えてみてはいかがでしょう。
くまさんは低い声、りすさんは高い声、というように、だれが話しているかわかるようにするくらいで、わかりやすく、ドラマチックになります。
子どもは気に入った本を何度も読んでもらいたがります。間の取り方などは、何度も読んでいるうちにうまくなっていくものです。
また、子どもの喜ぶところをちょっと大げさに読んでみたり、ちょっと膝を揺らしてみたりするのもいいでしょう。
ママが完成品を提供するのではなく、子どもの反応に合わせて本の世界を一緒に楽しむのが一番いいと思います。
上手な読み方の落とし穴
上手に読めるママが演技にはまりすぎてしまうと、子どもが途中でしゃべりだすと「静かに聞きなさい」「最後まで聞きなさい」などと言ってしまうことがあります。
話の途中で子どもが身近な体験を思い出して話し出したら、付き合ってあげればいいのでではないでしょうか。その日最後まで読まなくてはならないという決まりはありませんから「続きはあしたね」でいいでしょう。
また、「赤鬼さんは悲しいから泣いているのよ」などと解釈を子どもに押し付けるようになってしまうのも残念です。子どもが想像する余裕を残してあげてくださいね。
子どもの感想を聞きたいときもあるかもしれませんが、「どこがおもしろかった?」「赤鬼さんはなぜ泣いたのかな」などと質問するのはお勧めしません。お互いに「青鬼さんはどこに行ったのかなあ。」などと話していれば、「でもねー、人間に友達になろうって言えばいいんだよ」などと思ったことを話してくれるようになるでしょう。
いつから始めるの?
いつ始めてもいいのです。お勧めはゼロ歳です。おなかの中の赤ちゃんも話を聞いているそうですから、生まれるまえからでもいいのです。
6か月くらいになって、膝の上で安定して座れるようになったら、ママも本が持てますから読みやすくなりますね。
本と言うツールを生活の中になじませるという面からも、早い時期からの読み聞かせをお勧めします。分量は何ページでもよいのですが、途中でページをめくるというのは本の醍醐味でもあるので、4ぺージ以上というのはいかがでしょう。
いつまで読むの?
文字読みを始めて、自分で本を読むようになると、読み聞かせを辞めてしまうママが多いのですが、読み聞かせはいつまでも続けてほしいものです。
我が家では中学生と小学生高学年の娘たちから「ハリーポッター」を読んでほしいというリクエストがあり、毎晩1時間ずつ読んでいきました。登場人物は多いし、「その人、前の時と声が違う」と言われても、どんな声だったっけ?となるし、途中で2冊組になるし、「自分で読んだ方が早いでしょ」と言っても「いーから!」と言われるし、大変でした。でも、楽しい思い出です。
いつ読むの?
寝る前に読むというおうちが圧倒的に多いのではないでしょうか。
でも、病院の待合室や、電車がすいているとき、その移動中に読んでいるママも見かけます。
できるだけ、毎日読んで、生活の一部にしたいですね。
読み始めるとき
子どもが興奮状態だと本の世界に入れないことがあります。本が好きになったあとは、本の世界に入ることで落ち着くこともあるのですが、はじめからそうはいきません。
読む前に興奮をしずめ、落ち着かせましょう。
落ち着いてママの膝の上でほっこりしてくれたら準備OKです。
初めて読む本の場合は、まず、子どもに本を紹介しましょう。
表紙をみせて、題名を確認するのはとても大事なことです。
また、装丁から楽しめるものがたくさんありますから、表紙や裏表紙を見てどんな話か考えてみるのもいいでしょう。
子どもが楽しみだなあと思ってくれれば、集中力もアップするというものです。
ゆったり読む
絵本は絵の本ですから、絵がメインでそれにストーリーがついているのです。子どもが絵をじっくり見る時間がとれるよう、ゆったり読みましょう。
繰り返し読む
繰り返し読むことで、イメージが膨らんでいきます。理解も深まります。
面白いと思ったら、子どもは全部ほしいのです。
好きな本は全部覚えるまで読んでほしいのではないかと思います。
全部覚えていても、その通りに展開していくことを楽しむこともあります。
おいしいお菓子をもう一度食べて、やっぱりおいしいと思いたいのと同じではないでしょうか。
また、暗唱すると、言葉だけでなく、文や、文の流れまで使いこなすことができるようになります。国語力の面からこの上もなく望ましいことです。
短い話でもいいので、暗唱してしまうまで読んであげてください。
本の延長にある遊び
現実の生活の中で、本の世界を話題にしましょう。
お話の中のライオンになって「がおーっ」と言ったり、象になってのしのし歩く。
「あのライオンのようにやさしいね」と言うように話題に取り入れる。
お互いに「面白かったねぇ」と言う。
お互いにと言うところがポイントです。感想文をかきなさいという先生のようにはならないでくださいね。
本の世界を現実に引き出す効果があり、本の楽しさを確認して、また読みたいという動機づけになります。
記録
読み聞かせの記録をとるママがいますね。
子どもの姿を映像で残すように何を読んだか書き残して置いたら子どもが成長したあともよい思い出になるでしょう。
でも、記録にこだわりすぎないでください。何冊読んだかと言う数にはあまり意味がありません。いろいろな本を読むのはいいことですが、読みこなして自分のものにする、1冊を読み込むというのもいいことです。
目標があった方がいいということなら、毎日読むのを目標にしてはいかがでしょう。
ぜひ、リラックスして、読み聞かせを楽しんでください。
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