たくさんの子どもを指導していると、同じように説明しても伝わらないことがあります。

本人が一生懸命聞いていても、です。

原因にはいろいろありますが、その一つに、「知覚の優位性」があるようです。

 

人間には五感があって、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を使って周囲の情報を取り入れています。それを知覚といい、目から情報を取り入れることが多い人を視覚優位、耳から情報が入りやすい人を聴覚優位といいます。視力や聴力のことではありません。成長途上の子どもは視覚優位な子と、聴覚優位な子の違いが目立つことがあります。学習に限らず生活全般で、本人も特に気づくことなく、どちらかに比重が偏りがちなのではないかと思います。

指導法などに挙げられることはめったにありませんが、見てわかる力が強い視覚型なのか聞いてわかる力が強い聴覚型なのか、さらに嗅覚や味覚、触覚などの認知特性も意識して指導方法を変えると、よくわかってもらえます。

 

ある大手塾で最もハイクラスの講師と呼ばれていた人が、家庭教師をするようになった時の話をします。生徒から聞く限り、中学入試問題を教えるのはとても上手なようでした。ところが、ある日、その講師から「A君がわり算の筆算で苦戦している。わからないと言っている。」という話がありました。その辺は得意じゃないですかと言われ、私が交代することになりました。

実はA君は私の塾にも在籍していたので、様子がわかっていました。彼は筆算の手順を教わって、答えがでることはわかったけれど、なぜそうなるのかが分からなかったのだろうと見当をつけました。彼は視覚型傾向がみられる少年でした。一方、大手塾講師は聴覚型。言葉での解説が中心だったと想像できます。そこで、私はA君に図を書いて見せ、それを使って2桁÷1桁から解説することにしました。Aくんは、乾いた砂に水がしみ込むようにすばやくイメージをつかみ、20分後には4桁÷3桁をやって見せてくれるようになりました。そして、鮮やかなイメージと共に「なぜそうなるか」を理解したA君は2度とわり算の質問することはありませんでした。アプローチの方向を少し変えるだけでこれだけ違うと実感した経験です。

指導者は、指導形式にかかわらず、まず、自分のタイプを知っておくとよいのではないかと思います。自分とはタイプの違う生徒への解説に、「自分はこの方法で分かるようになった。」という経験はあまり役に立ちません。

 

集団授業では「このように説明すれば80%の子が理解する」という手応えを感じると、100%にその方法を当てはめてしまうことになります。集団だから仕方ないとはいうものの、20%の子には難しい授業になってしまうのです。ほんの数人、例えば3人教えていても、同じ足並みで学習が進むということは、まずありません。

 

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いかがでしたか? 〈かな学習室〉個別指導を取り入れているのは、個人のタイプに対応したいからです。「かな学習室」の指導者として、特に、自分とタイプの違う生徒に対して解説方法やスピードが合っている「かな?」と考えるようにしています。

かな学習室は新座市・東久留米市の中学生・小学生・幼児の皆さんのための思考力を養う塾です。中学受験、高校受験で高い合格実績を出しています。
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